ドローン物流の仕組みとは?

ドローンは農業や災害対応など、幅広い場面で導入されるようになり、多くの人にとってドローンはより身近な存在になりつつあります。
現在、大きな注目を集めているのは、ドローン物流サービスです。
ドローン物流が実現すれば、荷物をよりスピーディーに運べるようになることが期待されており、ドローン物流を実現させるために大手企業によるさまざまな取り組みもスタートしています。
この記事では、ドローン物流実用化を目指している現状や、ドローン物流におけるメリットやデメリットをご紹介します。

物流業界が抱えている課題

物流業界では、オンライン通販を利用する人が増えたことで多くの課題を抱えています。
まずは、再配達による時間と労力のロスです。
また、物流量が年々増加していることにより、交通渋滞が慢性的に起こっていることも問題視されています。
交通渋滞により、荷物を時間通りに配達できないなど悪循環も起こっていることが物流業界の現状です。
さらに、荷物量に対して、圧倒的にドライバー数が少ないことも問題となっています。

日本や世界でのドローン物流

日本では、本格的なドローン物流のスタートを目指し、各地でドローン物流が導入されるようになりました。
ここからは、日本や世界で導入されているドローン物流の一部をご紹介します。

世界で初めて導入されたドローン物流「そら楽」

楽天では、ドローンサービスは、「そら楽」を業界の中でもいち早く導入しました。
そら楽は第一弾プロジェクトとして、ゴルフ場へドローン技術サービスを提供していました。
コントローラ不要のマルチコプター型ドローンの「天空」を導入し、完全自律飛行するドローンを実現しました。
専用のショッピングアプリを利用することで、搭載されている「重量インジケーター」が自動で商品の重さを表示してくれます。
「ドローンダッシュボード」からは、飛行中のドローンの状態を随時チェックすることが可能です。

Amazonのドローン配送サービス

通販サービスとして大手のAmazonは、2020年に「航空運送業者」として米連邦航空局からドローン配送開始の許可を得ています。
ドローンが排気ガスを出さない点や交通渋滞を引き起こさないというメリットがあることから、ドローンの実証実験に踏み出したといわれています。
ドローン配送の実証実験も重ねていますが、未だ政府が規制を決めかねていることや安全性などの問題からドローンが本格的に配送に導入されるのは数年先になると予想されています。
なお、Amazonが初めて試験運用としてドローンで輸送したのは、企業間の医療品でした。
ドローンの実証実験を行った際に、近隣住民からは「騒音や安全性に対する不安感」で苦情が出た点については今後のドローン配送の課題となりそうです。

ドローン物流のメリットとデメリット

ドローン物流が実現されたとき、どのように活用していくべきなのでしょうか?
どのようなメリットとデメリットがあるのか理解していきましょう。

ドローン物流のメリット

ドローン物流が実現することのメリットは、以下の通りです。
  • 交通渋滞を緩和することが可能
  • よりスピーディーに荷物を宅配できる
  • 運搬時のコストを抑えられる
  • 運送業の人手不足を補える
  • 過疎地や被災地へも宅配できる
  • 配達員と客間でのトラブル防止
  • 日本国内のドローンの飛行高度は、150m未満と定められています。
    150m未満の高度なら、直線的に荷物を運搬しやすくなります。
    これによって、道路を利用して配送するよりも、よりスピーディーに荷物を宅配できます。
    また、東日本大震災のような荷物の運搬が困難な場面においても、ドローンの活用は期待されています。
    被災地では二次災害に巻き込まれる恐れもありますが、ドローンを有効活用することでそのような被災を防ぐことができるでしょう。

    ドローン物流のデメリット

    ドローン物流におけるデメリットを確認していきましょう。
  • ドローンが破損し墜落する可能性がある
  • ドローンが墜落する際に人に被害を及ぼす可能性がある
  • ドローンと荷物が盗難に遭う可能性がある
  • 荷物の重量制限が予想される
  • ドローン物流のデメリットとして問題視されているのは、人に被害を及ぼす可能性が否定できない点にあります。
    ドローンの墜落時に、大怪我を負わせるなど重大な被害を及ぼしてしまうことを心配する人は少なくありません。
    家や所有物にドローンがぶつかった際に、器物損害を起こす可能性もあるでしょう。
    配達員が直接荷物を宅配するのとは異なり、ドローンが荷物を途中で落下させてしまう可能性も否定できません。
    誤った場所に届けてしまった場合に、荷物やドローンを盗難されるなどのトラブルも起こりうるでしょう。

    まとめ

    多くの企業から熱い期待を寄せられるドローン物流は、本格的な導入が開始される前に乗り越えるべき壁が多くあります。
    今後、ドローン物流がスタートしたときに、メリットやデメリットを理解したうえで利用するかを検討しましょう。

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