ドローンの姿勢制御の仕組みとは?

なぜドローンは安定した姿勢で飛ぶことができるのでしょう。
ドローンの機体がバランスを崩すことなく飛行できる要因の一つに「姿勢制御」という機能があります。
この記事ではドローンの姿勢制御についてや仕組みなど詳しく解説していきます。

ドローンの「姿勢制御」とは?

ドローンが横風などで流されて行かずに指示通りの場所を飛べるのは、現在位置を把握し位置修正ができる「GPS」のおかげです。
そして、「GPS」と「姿勢制御」システムが連動することにより、さらに正確で安定した自律飛行が可能となります。
姿勢制御とは、簡単にいうと飛行中のドローンの姿勢を維持するように制御するもので、ドローンの機体を水平にさせ、思うままの方向に飛ばすよう働く機能です。

ドローンの姿勢制御の仕組み

プロペラの回転制御

ドローンが浮遊したり、左右・上下自在に飛行できることにはプロペラの動きが関係してきます。
プロペラひとつにつき1個のモーターが付いており、個別に回転スピードや方向を制御することができます。
ドローン4枚のプロペラの「回転速度」と「回転する方向」を変えることで、ドローンの進行方向を変えたり、空中で止まったりといった動きが可能になります。

ドローンが浮遊している時のプロペラの回転

ドローンが浮遊している時、隣り合うプロペラは逆回転しています。
プロペラの回転時に発生する「逆方向に回転しようとする力」を相殺し合い、機体の向きを一定に保つ為です。

左右に進行する時のプロペラの動き

ドローンの機体を右に動かしたい時は、右側のプロペラ2つの回転を遅くさせ、左側の2つを早くします。
左に動かしたい時も同様に、左側のプロペラを遅く、右側のプロペラを早く回転させます。
進行方向とは反対側にあるプロペラ2枚を早く回転させることにより機体が傾き、動かしたい方向へ進んでいきます。

上昇・下降する時のプロペラの動き

ドローンを上昇させたい時は、4つのプロペラが速く回転します。
逆に、下降させたい時は4つのプロペラの回転は遅くなります。

センサーによる制御

ドローンには、機体の姿勢や速度を調節し、自律飛行するための様々なセンサーが備わっています。
主なセンサーは、加速度センサーや角速度センサー、地磁気センサー、気圧センサーなどがあり、その中で、姿勢制御に関係するのが、加速度センサーと角速度センサー(ジャイロセンサー)の2つです。

姿勢制御の関係する主なセンサー

【加速度センサー】加速度センサーとは、ドローンのスピードの変化量を検知するものです。速度の変化値により、その傾きや動きなどがわかります。
【角速度センサー(ジャイロセンサー)】ジャイロセンサーとも呼ばれる角速度センサーは、ドローンの角度変化量により、機体の傾きや向きがわかります。

この2つのセンサーが作用し合うことで、傾きや速度を制御し、安定した機体の姿勢を維持しています。

ビジョンポジショニングシステムとは

ドローンはGPSを受信して自身の位置確認をし、風などに流されることなくフライトできます。
そして姿勢制御システムと連動し、より安定した飛行が可能となるります。
しかし、GPSの届かない屋内や山奥でも「ビジョンポジショニングシステム」により、機体を水平に保ち、正確な飛行が可能となります。

ビジョンポジショニングシステム

機種によって多少違いはありますが、ドローンの機体下部に搭載されている「ビジョンセンサー(2つのカメラ)」と「超音波センサー」の働きで、非GPS環境でもホバリングや障害物を探知することができます。

それぞれのセンサーの働き

【ビジョンセンサー(カメラ)】2つのカメラによる画像データで、地面との距離を割り出す。
【超音波センサー】高度を測定し、高度維持を行う。

非GPS環境の中でもドローンの姿勢を安定させる便利な機能ですが、弱点もあります。

ビジョンポジショニングシステムの弱点

【暗い場所】光量の少ない暗所では、カメラが認識できないため作動しない可能性が高い。
【模様のない床】モノクロ(単色)の床や、同一パターンが繰り返されるタイルなどは、カメラで正確な地面の特徴を把握できないため、作動しない可能性が高い。
【水面】水の上は表面が連続的に変化し続けるので、下部の特徴をセンサーが確認できず、作動しない可能性が高い。
【高い場所での飛行】​​機能限界高度が10m程度なので、高い場所での飛行は出来ない。推奨されている高度は30cm〜6m程度。​​
ドローンの位置把握を行うGPSの代わりに、土木の軽量などに使われている「レーザー光」を応用し、GPSのない場所でも安定した飛行を可能にしたドローンも登場しています。
非GPSの環境下でも、姿勢制御や位置確認が機能することにより、倉庫内在庫管理や橋梁下の点検などにも使用できるため、ドローンの活躍の幅がさらに広がっています。

姿勢制御の注意点

姿勢制御などの自律飛行システムがに頼ってばかりでは怪我や事故へ繋がってしまいます。
山間部や大きな建物がある場所では電波の受信状況が悪くなり、通信が遮断されてしまうこともあり、強い突風に煽られ、姿勢制御が機能しないケースもあります。
プロペラも、1つでも不備があると安定した飛行はできません。
スキルの向上と日々のメンテナンスをしっかりと行いましょう。

まとめ

今回は、ドローンの姿勢制御についてまとめました。
ドローンは、飛行中のドローンの姿勢を維持するように制御する機能である姿勢制御の働きにより、安定した飛行を可能にしています。
プロペラひとつにつき1個のモー ターが付いており、個別に回転スピードや方向を制御することができるプロペラの回転制御により姿勢制御が働いています。
プロペラ制御と姿勢制御は、安定したドローン飛行には欠かせません。
しかし、電波の受信状況が悪い場所や、強い突風に煽られた際など、姿勢制御が機能しないケースもあり、ドローンを自在に動かすプロペラも、1つでも不備があると安定した飛行はできないため、姿勢制御の働きがあるからといっても油断は禁物です。

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