完全無音ドローンはある?

様々な分野で活躍の場を広げているドローンですが、飛行の際に発する音は中々大きな音量です。
無音で飛ばせるドローンはないのかと思う方もいると思いますが、静音ドローンはありますが完全無音ドローンは今のところ市場には登場していません。
この記事では、無音ドローンが一般用に普及が難しい理由や、静音性に優れたドローンについて解説します。

無音で飛行するドローンがない理由

無音で飛行できるドローンは、今現在なく、一般用ドローンの「無音」機能の搭載は難しいとされています。
大きな理由として、技術的に難しいこと、悪用されるリスク、事故や怪我の危険性が高まってしまうということが挙げられます。

技術的に難しい

基本的にドローンはプロペラやモーターを動かして飛行するので、それらの起動音を完全に消すことは難しいです。
回転数を減らしたり静音モーターを使用すると、パワー不足で機体がふらついたり、思ったような飛行ができなくなったりと、ドローン本来のパフォーマンスが行えなくなる可能性が高いからです。

悪用リスク、事故や怪我の危険性

ドローンの飛行音は、危険・悪用の回避につながっている側面があります。
飛行の際出る音は、ドローンが飛んでいることが認識されやすいというメリットもあります。
例えば最近はハイブリッド車など静かな自動車も増えましたが、後ろから走ってきた静音車が、真横に来るまで気付かなかったという経験がある方もいるのではないでしょうか。
ドローンが飛んでいる、近くにいると他人に認識させるのは、危険や怪我の回避にも繋がります。
また、悪用されてしまうリスクも見逃せないポイントです。
ドローンはカメラを搭載していますし、無音で飛べるドローンは盗撮など犯罪の手助けをしてしまう危険もあります。
こういった技術的・倫理的な理由から、今現在、一般用の無音ドローンの実用化は難しいと考えられています。

小さい音でドローンを飛ばす方法

無音ドローンは色々な理由で難しいにしても、騒音レベルの音に対して、少しでも軽減できないかと悩む方は多いと思います。
ここからはなるべく小さい音でドローンを飛ばす方法について解説していきます。

静音設計のプロペラ、モーターを選ぶ

静音性ドローンのポイントはプロペラとモーターの2つです。
ドローンの大きな音を発生させている大きな要因として、プロペラの回転音とモーターの動作音があります。
ドローンは基本的に4枚のプロペラが回転し、機体を浮かせ飛行させます。
プロペラが回る際、空気がかき混ぜられるため風切り音が発生してしまうのです。
モーターもドローンを飛ばすためにはフル稼働となり、その動作音もプロペラ音と同じく、確実に発生してしまいます。
なので、静音性を重視した設計のプロペラとモーター搭載のドローンを選びましょう。

プロペラ

商品説明欄などに、静音仕様のプロペラ搭載等、静音性が優れたプロペラであると記載されたドローンを選びましょう。
プロペラの翼端に角度をつけ、音の原因の一つでもある「空気の渦」を抑える工夫が施されているものなど、静音性を高める航空力学的設計で作られたプロペラを採用したドローンが、各メーカーから発売されています。
また、静音性を謳ったプロペラは別売りもされているので、まずは搭載機能やカメラ性能で機体を選び、静音性に優れたプロペラを別途購入することもできます。
その際はプロペラの対応機種か、しっかりと確認をしましょう。

モーター

ブラシレスモーター採用のドローンは比較的静かです。
ドローンに使われているモーターには、ブラシ付きとブラシが付かない(ブラシレス)モーターがあります。
【ブラシ付モーター】内部に「ブラシ」と呼ばれる電極と「コミュテータ」と呼ばれる整流子が入ったモーター。この二つの部品を接触させて、モーターを動かすために必要な電力切り替えを行う。
【ブラシレスモーター】「ブラシ」と「コミュテータ」部分を電子回路に置き換えたモーター。電気的に電力切り替えを行う。

ブラシレスモーターは物質の摩擦が少ないため動作音が小さく、その他にも熱が出にくい、長寿命、メンテナンスがしやすいなど多くのメリットがあります。

静音性に優れたドローンの開発

現在、静音性に優れたドローンの開発が進んでいます。
FPVレース用ドローンには、64枚ものプロペラがついたものが登場し、そのテストフライト動画が話題になりました。
一般的なFPVドローンの羽は12枚ですが、羽が多いと少ない回転数で十分な推力が得られるため、その静音性は確かです。
また、NTTドコモが2019年4月に発表した屋内向けドローンは、プロペラのない風船型で、ヘリウムガスを入れ、超音波振動を活用して飛ぶことができ、スピードは出ないもののとても静かです。
カメラも搭載可能で、屋内のイベントなどの運用を想定しているとのことです。
こういった新しい形のドローンも様々な企業が開発を試みており、将来的には静音性に特化した新型ドローンの登場が期待できます。

まとめ

今現在、無音で飛行できるドローンは市場に登場しておらず、技術的理由や悪用リスク、事故や怪我の危険性から一般用の完全無音ドローンの実用化は難しいとされています。
なるべく静音でドローンを飛行させるには、静音性のある低ノイズプロペラや、ブラシレスモーター採用のドローンを選ぶようにしましょう。
現在、静音性に優れた新たな視点のドローン開発が進んでおり、近い将来、静音性に特化したドローンの誕生に期待できます。

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