ドローンの国家資格【講習や試験内容は?】

2022年12月5日よりドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明制度)が始まりました。
同時にレベル4飛行に合わせた機体認証制度も開始され、これまでの民間資格とは違い国家資格を取得することによって有人地帯での目視外飛行が可能となり、更なる活用や発展が期待されています。
この記事では、ドローンの国家資格の試験や講習内容について解説します。

受験資格について

国家資格の受験資格は、「➀16歳以上であること」「➁航空法の規定により国土交通省から本試験の受験が停止されていないこと」の2つとなります。
➁については、犯罪などの問題を起こし資格の取り消しや試験中に不正行為などを行った場合に対象となるので、基本的には気にしなくても大丈夫です。

講習機関について

国家資格の講習・試験を行う場所については現存するドローンスク―ルが多くなると思われますが、試験会場については一定の敷地を有してなければならないため、全てのスク―ルが講習機関となるわけではありません。
また試験会場の条件として規定されている面積が「21m × 13m」と、とても広いため屋内ドローンスク―ルなどは、講習は屋内で行い、試験のみ屋外の別会場となる場合も多いと思われます。
学科講習の同時受講者数は、約50人以下と定められており、実地講習では一人の講師に対して受講者は5人以下と定められております。
今後、さらに国家資格を受講できるスクールが多くなることが見込まれています。

学科講習と試験内容について

学科講習はドローンについての知識や法律関係の事について学びます。
座学となっているためドローンを飛ばす事はなく、学校の授業のようにとにかく勉強するイメージです。
座学についてはオンラインでの講習も可能で、スク―ルに通わなくても自宅で受けることも可能となっています。
オンライン講習でも対面と同じように質疑応答ができるように定められています。

講習内容

①無人航空機操縦者の心構え
②無人航空機に関する規則
③無人航空機のシステム
④無人航空機の操縦者及び運行体制
⑤運行上のリスク管理

講習時間

初心者:一等資格:18時間以上
   :二等資格:10時間以上
経験者:一等資格:9時間以上
   :二等資格:4時間以上

学科試験について

学科試験は漢字検定や英語検定などにも使用されているCBT(コンピュータを使った試験方式)で行われ選択式の問題となっています。

問題形式

3つの選択肢の中から一つを選んで答える方式
一等資格:70問
二等資格:50問

合格基準

1等資格:審議中
2等資格:80%以上の正答率

試験内容

①無人航空機に関する規則(航空法に関する一般知識など)
②無人航空機のシステム(ドローンの特徴や飛行性能、技術的なことなど)
③無人航空機の操縦者及び運航体制(操縦者の行動規範及び遵守事項など)
④運航上のリスク管理(最適な運航の計画の立案の基礎や気象のことなど)

試験費用

一等資格:9,800円
二等資格:8,800円

実地講習と試験内容について

実地講習では実際にドローンを操縦して技術の習得を目指します。
この講習ではシュミレーターの使用が認められており、履修科目ごとの最低時間の4割を上限としているため例えば、二等資格:初心者:基本(限定変更なし)の場合、合計時間が10時間以上のため4割の4時間までならシュミレーターでの講習が可能となっています。

実地内容

履修科目によって変わりますが以下の11項目となっています。
①飛行リスク評価結果及び飛行環境環境の確認
②運行体制、手順、役割分担の管理確認
③機体の状況、操縦モード、バッテリーの確認
④フェールセーフ機能の適切な設定、飛行経路の設定、自動飛行の設定
⑤基本操縦(手動)
⑥基本操縦(自動)
⑦基本操縦以外の機体操作
⑧様々な運行計画への対応
⑨安全に関わる操作
⑩緊急時の対応
⑪飛行後の記録、報告

講習時間

初心者:一等資格 基本(限定変更なし):50時間以上
   :二等資格 基本(限定変更なし):10時間以上
経験者:一等資格 基本(限定変更なし):10時間以上
   :二等資格 基本(限定変更なし):2時間以上

実地試験について

実地試験では操縦技術や点検・記録なドローンを安全に運用するための技能や知識について確認します。
この試験は学科試験を合格しないと受けられないので注意しましょう。
採点については、100点の持ち点からの減点式となっていて、
一等資格100点満点中80点以上
二等資格100点満点中70点以上
の持ち点を試験終了時確保した受験者が合格となります。

実地試験内容

実地試験の内容は以下のように5つありますが、実際にドローンを操縦するのはどちらも3つ目の実技試験のみで、内容の大きな違いも実技試験の違いとなっています。
一等資格 基本
1:机上試験(飛行計画の作成)
2:口述試験(作動前の機体点検、飛行空域及びその周辺の確認、作動点検)
3:実技試験(高度変化を伴うスクエア飛行、ピルエットホバリング、緊急着陸を伴う8の字飛行)
4:口述試験(飛行後点検、飛行後の記録)
5:口述試験(事故及び重大インシデントの説明)

二等資格 基本
1:机上試験(飛行計画の作成)
2:口述試験(作動前の機体点検、飛行空域及びその周辺の確認、作動点検)
3:実技試験(スクエア飛行、8の字飛行、異常事態における飛行の飛行)
4:口述試験(飛行後点検、飛行後の記録)
5:口述試験(事故及び重大インシデントの説明)

身体検査について

ドローンの運行に際して身体基準を満たしているかが求められます。
医療機関の診断書か指定検査機関での身体検査によるほか、公的証明書(自動車運転免許など)の提出をすることで合格証が得られます。
ただし、一等無人航空機操縦士で25kg以上の機体を扱う場合は、これとは別の検査が求めることとされています。

受検方法と費用

書類での受検:5,200円
会場での受検:19,900円
書類での受検とは、受験者が自動車運転免許などの公的証明書を提出することで書面にて身体検査を受検する方法で、会場での受検とは、受験者が指定試験機関が準備する会場で直接身体検査を受検する方法です。

まとめ

ドローンの国家資格は施行されたばかりなのでこれから変わっていくこともあるかもしれません。
国家資格の取得を検討中の方は、引き続き最新情報が発表され次第、アクションを起こしていく必要があるでしょう。

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