ドローンの「包括申請」とは

ドローンの「包括申請」とは何か

航空法によりドローン飛行が規制されている区域でドローンを飛ばす際に、国土交通省への飛行許可申請が必要となります。

申請方法には、必要な申請をまとめて行うことができる、包括申請というものがあります。

包括申請と個別申請

個別申請とは日にちと航路を決めたうえで、ドローンの操縦者が行う申請方法です。

申請が通りやすいですが、日にちや航路のスケジュールが確定したうえで行う必要があり変更もできない他、ドローンを飛行させるたびに許可申請を行わなければならないという点が特徴です。

包括申請とは、一定期間に繰り返しドローンを飛行させる場合や、複数の場所で飛行させる場合に、その飛行申請をまとめて行えるものです。一度で許可を得ることができるため、一回一回の申請作業が不要になるうえ、手数料の支払いも1回で済むため手間もコストも削減できるというメリットがあります。

飛行可能な期間は原則3カ月(最長1年間)で、延長を希望する場合は飛行許可期間終了日の2カ月前までに申告が必要になります。1年後も継続してドローンを飛行させたい場合は、申請書の再提出が必要です。

また、包括申請の中でも2種類あり、「期間包括申請」と「飛行経路包括申請」があります。

「期間包括申請」とは一定期間内で同じ場所で繰り返しドローンを飛行させることができる申請方法です。天候やその日の条件などにより飛行日をずらす可能性が高い場合に便利な方法です。

「飛行経路包括申請」とは複数の場所に置ける飛行の許可申請を1度にまとめて行える申請方法です。飛行経路が明確でなくても、ある程度の範囲が特定できれば申請可能です。

包括申請の申込方法

申請書の作成・送付

包括申請は、書面で申請書を作成し「窓口」または「郵送」で提出するか、国土交通省の専門フォームであるDIPSを利用して「オンライン上での作成・提出」を行うかに分けられます。

窓口での申請
国土交通省のホームページから申請書のフォーマットをダウンロードし、必要事項を記入します。

記入が完了した申請書と一緒に、必要な添付資料が用意できたら、飛行場所を管轄する地方航空局または空港事務所の窓口へ提出します。

空港周辺または150m以上の上空にドローンを飛ばす場合は「空港事務所」、それ以外の場所でドローンを飛ばす場合は「地方航空局」が提出先となります。

郵送での申請

申請書や添付資料を郵送で提出する場合、許可書の原本が郵送で返されるため、返信用封筒も同封します。大切な書類なので追跡ができるよう簡易書留で郵送しましょう。なお、郵送にかかる費用は自己負担となります。

オンライン「DIPS」での申請
国土交通省のオンラインサービスDIPSを利用すると、オンラインでドローン飛行の許可申請を行うことができます。操作はすべてWebブラウザ上で完結します。

提出は24時間受付可能なほか、申請書の内容を自動チェックしてくれるため、初めての方でも安心して申請を行えます。また、以前に許可を得た申請書を再利用して新たな申請書を作成することも可能です。


包括申請は誰でも、どのような場合でも行うことができるわけではありません。

趣味を目的としたドローン利用の場合、日時と飛行場所を確定してから申請する必要があり、包括申請は利用できないため個別申請します。

ドローンの飛行目的が業務と見なされれば、包括申請が行えます。

農薬散布、依頼を受けての飛行や撮影などの業務に当てはまるのであれば、包括申請を利用しましょう。

飛行実績を報告

包括申請をした場合、「無人航空機の許可に基づく飛行実績報告書」に沿って飛行実績を作成し、管理する必要があります。
飛行実績の報告先は、許可・承認を受けた国土交通省本省、各地方航空局長、各空港事務所長宛となります。

DIPSを使って報告書を作成する場合、紙で報告書を作成する場合どちらも国土交通省ホームページからダウンロードできる「無人航空機に係る飛行予定情報報告」のフォーマット(Excel形式)に沿って記入をしていきます。

まとめ

事前に許可が必要となる飛行場所・飛行方法で一定期間複数回ドローンを飛行させる場合、具体的な飛行場所の特定ができない方は、「包括申請」を上手に利用すれば手間も時間も省くことができます。申請は日にちに余裕をもって行いましょう。

申請方法も窓口での受付や郵送、Webブラウザ上で入力すれば簡単に申請が行える「DIPS」など様々な方法があります。申請に必要な書類の作成方法は、国土交通省に記載された説明を確認すれば誰でも作成することができます。